コロナ関連の助成金情報や税務の取り扱い

 

コロナ関連の助成金情報や税務の取り扱いを一部まとめました。

2020年4月8日時点の情報です。

 

 

  • 雇用調整助成金 厚生労働省

企業が支払う休業手当(賃金の6割以上)の一部を補助する「雇用調整助成金」の支給要件が、4月1日~6月30日の緊急対応期間の間、緩和されています。

 

通常時 コロナ特例
対象事業主 雇用保険適用企業、個人事業主 コロナの影響を受ける雇用保険適用企業、個人事業主
支給する休業手当のうち助成される割合 中小企業は2/3

大企業は1/2

中小企業は4/5

大企業は2/3

(解雇しない場合、

中小企業は9/10

大企業は3/4)

ただし、1人8,330円/日が上限

経営指標(売上高など) 最近3カ月で前年同月比10%以上減少 最近1カ月で前年同月比5%以上減少
対象労働者 雇用保険に6カ月以上加入 雇用保険未加入の新入社員や非正規社員にも対象拡大
都道府県労働局又はハローワークへの手続き 休業等計画届を事前提出 休業等計画届の事後提出を認める(6月末までに提出)

 

申請から支給まで2カ月程度かかる見込みのため、支給開始までは企業が休業手当の支払を負担する必要がある点に留意が必要です。

 

下記が参考になります。

https://www.mhlw.go.jp/content/000606556.pdf(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例に関するQ&A)

https://www.mhlw.go.jp/content/000615395.pdf

 

 

 

 

  • テレワークコース助成金 厚生労働省

対象となる中小企業事業主※1が、令和2年2月17日~5月31日までの間に一定の取組※2を行い、労働者の1人以上がテレワークを実施した場合、支出した費用の1/2の支給(最大100万円)を受けられる制度になります。

シンクライアント以外のパソコン、タブレット、スマホの購入費用は対象外である点に留意が必要です。

https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000622075.pdf

 

※1:労働者災害補償保険の適用中小事業主

※2:テレワーク用通信機器の導入、就業規則等の作成変更、労務管理担当者に対する研修、労働者に対する研修周知、社労士等の外部専門家によるコンサルティング 等

 

 

  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付 危機対応融資 特別利子補給制度

日本政策金融公庫等による新型コロナウイルス感染症特別貸付または商工中金による危機対応融資等により借入を行い、特別利子補給制度を適用して利子補給を行うことで実質無利子の借入が実現します。

 

✓新型コロナウイルス感染症特別貸付

対象者:最近1カ月の売上高が前年同月比または前々年同月比5%以上減少の事業者(業歴1年1カ月未満は別要件)

融資限度:国民生活事業は6,000万円(実質無利子を実現するのは3,000万円まで)

中小企業事業は3億円(実質無利子を実現するのは1億円まで)

利率:基準金利(国民生活事業は3,000万円、中小企業事業は3億円まで3年間は基準金利▲0.9%)

備考:無担保、据置期間は3年間、業歴3カ月未満は対象外

 

✓危機対応融資

新型コロナウイルス感染症特別貸付と内容はほぼ同じですので割愛

なお、日本政策金融公庫の制度で「マル経融資」、「生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付」なるものが別途ありますが、実質無利子を実現する限度額は合算でカウントされるため割愛

 

✓特別利子補給制度

新型コロナウイルス感染症特別貸付、危機対応融資等による借入を行った下記の対象者に、借入後3年間の利子を補給する制度

(補給限度額は国民生活事業3,000万円、中小企業は1億円、危機対応融資は1億円)

小規模事業者

(卸・小売業、サービス業は従業員5名以下、それ以外は20名以下)

中小企業者
個人 要件なし 売上高▲20%以上
法人 売上高▲15%以上 売上高▲20%以上

 

資金繰り支援内容一覧表が経済産業省から公表されていたので追記します(4/14)(https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/shikinguri_list.pdf)

 

 

  • 持続化給付金

現時点で決定している情報の範囲では、売上が前年同月比で50%以上減少している中小企業および個人事業主に対して、「前年1年間の売上」▲「今年減少月×12カ月分」の給付があります。(中小企業上限200万円、個人事業主100万円)

今後の詳細については経済産業省支援策パンフレット(https://www.meti.go.jp/covid-19/)にて更新される予定です。

 

 

  • 確定申告(所得税・消費税・贈与税) 国税庁

申告期限が下記の通り延長されました。さらに、4月17日(金)以降であっても柔軟に確定申告を受け付けることが公表されています。

従来 延長後
所得税 令和2年3月16日(月) 令和2年4月16日(木)
個人消費税 令和2年3月31日(火) 令和2年4月16日(木)
贈与税 令和2年3月16日(月) 令和2年4月16日(木)
振替納付日_所得税 令和2年4月21日(火) 令和2年5月15日(金)
振替納付日_個人消費税 令和2年4月23日(木) 令和2年5月19日(火)

 

コロナの影響により納税が困難な方は1年以内の猶予が認められる場合があります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0020003-044_02.pdf

税務署に問い合わせて初めて知りましたが、振替納税をしている場合は申請を出した時点で振替納税がキャンセルされるため、申請をして認められなかった場合には納付期限が原則の4月16日になる点に留意が必要です。

 

また、申告期限の延長に伴い、下記手続きも期限が延長されました。

手続名
所得税関係 所得税及び復興特別所得税の確定申告
所得税及び復興特別所得税の更正の請求
所得税の青色申告承認申請
青色事業専従者給与に関する届出(変更届出)
所得税の青色申告の取りやめ届出
純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求
所得税の減価償却資産の償却方法の届出
所得税の減価償却資産の償却方法の変更承認申請
所得税の有価証券・仮想通貨の評価方法の届出
所得税の有価証券・仮想通貨の評価方法の変更承認申請
個人事業の開廃業等届出
贈与税関係 贈与税の申告
贈与税の更正の請求
相続時精算課税選択届出
個人消費税関係 消費税及び地方消費税の確定申告
消費税及び地方消費税の更正の請求
その他 国外財産調書の提出
財産債務調書の提出

 

現時点で決定はされていないものの、新たな納税猶予の特例制度として令和2年2月1日以降に申告納期限が到来する法人税や法人消費税、源泉所得税についても納付が困難な場合には1年の猶予が認められる見込みとなっています。